今回は、山歩きでなく日本遺産の「浦賀レンガドック」と「千代ケ崎砲台跡」そしておまけに「燈明台」を訪ねるウォーキング。
浦賀はペリー艦隊の来航により1853年浦賀造船所を建造し、国産初の洋式軍艦「鳳凰丸」を始め数々の戦艦等を建造してきた。　現存のレンガドックは1899年設立し駆逐艦及び青函連絡船、帆船日本丸も建造され100年にわたり1000隻以上の戦艦等の建造及び修理を2003年まで行ってきた。　その後横須賀市が住友重工から無償譲渡を受け現在に至っている。　現存のレンガドックは世界に5つ（日本に2つ、オランダに3つ）しかない貴重な歴史遺産となっており、市の教育委員会のガイド付きでなければ見る事が出来ない。　長さ180ｍ巾20ｍ高さ11ｍの巨大なドックの底から見上げると、明治32年によくぞ建造したものだと感心する。　聞けば、国主導ではなく、オランダ人とドイツ人の指導の元に技術を学んだ日本人技師者達の民間主導で作られたとか。　浦賀は、ペリー艦隊来航前から英国などの外国船の来航が見られ「入り鉄砲に出女」を見張る海の関所であったが、ペリー艦隊来航以来は海防の拠点でもあったなど興味深い前史を楽しく聞かせてもらった。　東浦賀宿かって干鰯（魚肥）の廻船問屋で栄えた風情の残る旧街道を進み、源頼朝が上総で源氏再興の大願成就の前兆を感得し、源氏再興が叶ったところから建立したと言われる西叶神社に寄ってみる。　もう一つのレンガドックの川間ドックを見て、和式灯台の元祖と言われる燈明台に向かう。　燈明台は400年ほど前、幕府の命により石垣の上に二階建燈明台を建て一日も休まず220年間、なたね油で火をともし航路の安全を守り続けた歴史的建造物（平成元年復元）。　今日では水着の外人観光客の嬌声で賑わう浜辺となっている。　海を眺め、気持ちの良い風に吹かれながら昼食を摂り、千代ケ崎砲台跡に向かう。　往路を戻り急坂をしばらく登って、江戸時代に造られた標高６０ｍほどの台場（平根山）に明治2８年に陸軍により建設された千代ケ崎砲台に着く。　ここもガイド付きが基本で、土日だけの公開となっている。　千代ケ崎砲台は一直線に並んだ３砲座からなり、各砲座には砲床が2つ配置され計６門が備えられた。　土中に造られた塁道沿いのレンガ造りの施設は、見た目にも素晴らしく、敵の上陸にも備え計算しつくされた造り作りになっており、常駐する兵士の宿舎や待避所もあり、生活用水も自前で確保できるように造られている。　計算しつくされ素晴らしい技術で作られたこの施設もできあがった頃には、戦争の戦い方も変わり、それまでの敵の侵入手段が艦船の時代から飛行機になったため、東京湾沿いに建設した20カ所の砲台は一度も使われることはなく、一発も打たずに終わったとの事。　その後、地元の農家に豚舎として使用させたり、自衛隊が管理したりで今日に至っているとか。　このような史跡東京湾要塞跡の見学に来る人なんかいるのかなと思っていたら、各部屋をグループごとに順番にまわるほどかなりの人達が来ていた。　4月というのに夏日になり、いつもとはひと味違うウォーキングとなりましたが、みなさん楽しめましたでしょうか？

　　　　
　　　
　　　　

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　お疲れ様でした
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　